全校で「論理」に取り組む
――『論理エンジン』全校導入にあたっての経緯を教えていただけますか。
岩本 大阪高校では、今のところこの教材(『論理エンジン』)がベストだと認識しているのですが、紆余曲折は当然ながらありましたね。当初、この『論理エンジン』と出会った時、国語力をつける突破口になりはしないかと思いました。模擬試験の点数が上がった、偏差値が上がったという形でコマーシャルが打たれていましたが、それは正直なところ、良し悪しがあると思います。子どもたちの実態でいうと、あくまでも国語の力をどうつけるかが主眼であって、結果としての模試の成績ですから。そのため大阪高校流にこの教材をどう導入していったらいいか、また他の先生方にどう理解をしてもらったらいいかということで悩みました。
そこで最初はサークル活動として取り組みました。全体で一気に取り組むのではなく、金額のこともありますから、放課後に自主参加という形で、保護者の方に「こういう活動がしたいので、ぜひ参加させてほしい」と訴え、子どもたちにも「ぜひ参加してみよう」と呼びかけました。結果、学年を超えて70人ほどの子どもたちが集まりました。
最初は私と北村のコンビで、きちんと時間を確保してやっていこうとしたのですが、会議などが入り、うまくいかない時もあり、「放課後でやるのは限界がある。授業できちんとやるのであればできるのに」と感じました。
クラブ活動に参加している子どもたちの事も考え、1回目は3時半から、2回目は7時から、それぞれ90分授業で行いました。しんどかったけれど、子どもたちも喜んで来てくれました。まだまだやリ方は工夫しなければいけない部分はありましたが、これを導入してもよさそうだな、と感じました。
もともと、大阪高校に来る子どもたちをどう3年間で育てるかと考えたときに、「基礎学力を高めないといけない」という結論がありました。それぞれ教科ごとに強化ポイントを探りましたが、共通して先生方から言われたのが、教科書の読み取りも含め、まず日本語力の欠如を何とかしなければいけないということだったのです。
そこで前校長から職員会議を通じて、『論理エンジン』の導入を報告願いました。国語科だけでまかなうのではなく、「全教師でアタックをかけるぞ、基本的にはホームルーム担任が担当する」ということで出発しました。目論見としては、当然ながら第一目標として子どもたちの成長がありますが、第二の目標として、授業者である教師の力をどうコミットさせていくかということもありました。
現在、一定の方法はシステム化できているのですが、他教科や、新たに入ってくる先生方に対するケアについて、まだ改善点はあると考えています。それについては、今回の水王舎さんのHPをはじめとするアフターフォローの取り組みも合わせて考えていきたいと思います。