コラム

視聴率先生の劇場型授業~大阪高等学校・北村恭崇先生~(2)
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Writer S

前回の大阪高校・北村先生の驚きの授業の様子をご覧いただきました。その授業のあとに引き受けて頂いた、北村先生へのインタヴューの模様をお届けします。今回は北村先生と論理エンジンの出会いのお話になります。ぜひご覧ください。

より良い授業への努力


――先ほど、北村先生の速射砲のような授業を見学させていただきました。最初に短めの文章を配り、タイムリミットの中で集中して読ませ、すぐに段落ごとの要約に入っていかれました。どんな試験でも、子どもたちは初めて見る文章ですから、集中力を持って読まない限り、設問に時間内に答えられません。まさに実践的な受験対策だと感じました。
そして、終わるとすぐに語彙に行き、読めて意味がわかるかを、きちんとタイムリミットの中でチェックされる。語彙が終わるとただちに『論理エンジン』の講義に移る。非常に流れがいい授業でした。
子どもたちの集中力はなかなか持続しないものです。例えば50分間、単調に一つの作品を鑑賞したとすれば、はっきり申し上げて、8割は寝ている。ところが今日の北村先生の授業は、子どもたちに手を動かせる、声を出して読ませるというように、素材に対して能動的に対処させる。それを通じて、子どもたちのテンションが切れないようにし、最後に時間が余れば、予習をさせる。大変に実践的で有効な講義だと思いました。
この授業の形になるまでどう試行錯誤されてきたか、失敗談も含めてお聞かせいただけますでしょうか。

北村 私の持っている4クラスは文理特進クラスですので、そのコースのゴールを見越した上で、いかに授業を構成していくかを考えています。
これまでは、まず彼らに予習をさせた上で、一旦回収し、ていねいに予習しているかどうかをチェックする。それを提出ポイントという形で評価点にする。次の授業で解答冊子を配り、生徒自身に予習したものを確認させて、それに私が解説を加え、レベルクリア問題をするという流れでやっていました。
授業のはじめに読解と語句のプリントを配る形にしたのは、この学期になってからです。2学期までは、毎回解答・解説冊子を配って回収する形をとっていましたが、3学期から少しずつ生徒たちにゆだね、解答・解説冊子を与えて、予習の段階で丸付けもさせてくるスタイルに変えました。その分を時間短縮できたので、現代文とのからみで、文章を数多く読ませよう、そして語句を覚えさせようと考えました。その思いを具現化して現在のスタイルに切り替えたのです。
指導していく上で感じていたのは、『論理エンジン』で論理的思考が身についた結果、小説問題なら文章が平易なので、大きく点数が上がりますが、評論文は、文章そのものの難易度が高いので、なかなか効果が実感しにくいところがあるということでした。

そこで、できるだけ難しい語句や評論用語を、その時間に覚えさせて、チェックしてしまおうと思いました。その場で暗記させ、その場で当てて、答えられなかったら立っていてもらう。このようにその場で負荷をかける形にしてみました。現国の3時間に加え、『論理エンジン』の1時間、4時間全ての授業で最初にそれをやると宣言して、3学期は動き始めました。これが今日のような形になった経緯です。
これまでのやり方をずっと続けていくことにより、彼らの中でマンネリ化してくるのは避けたいとも思っていました。今回、このような形に変えるにあたって、文章プリントの説明においても、『論理エンジン』で学んだ論理と絡めて説明してみるとか、現国でも『論理エンジン』でも同じ用語、あるいは同じ本文マークを利用して教えることを意識しています。

『論理エンジン』との遭遇

――初めて『論理エンジン』をご覧になった印象はどのようなものでしたか?

北村 教師をして3、4年目だったと思います。正直言って、教科書や指導書を見比べながら、何となく授業をしていました。教科書の教材を読んでいるだけで、現代文をどうやって教えたらいいのか迷いがありました。
その都度、教材に合わせた話題や、現代文なので現代につながる情報を与えることで、生徒の方は楽しんでくれていたので、最初の2、3年はそれで乗り切った感じはしていました。しかし、力がついているという手応えはあまり持てなかったのです。
国語科自体も改革期の中で漢字の取組みをやっていこうとしていました。私自身も齋藤孝さんの三色ボールペンを用いた読み方や、陰山英男さんの漢字ドリルなども活用し、よりよい授業の模索をしている中、どこかの研究会に出口先生が来られ、実際の入試問題を一問解く場面に出会ったのです。単なる主語・述語といった基本的な文法項目が、答えの道しるべになっていることに目からウロコで、「すごいな」と思いました。
その際に、『論理エンジン』の説明を受けたのです。正直これまでの教材だと、授業時間だけでは中間テストまでに2つ、多い時で3つの文が読めれば良い位でした。3つ文章を読む位で力がつくとは到底思えなかったので、効果的に読める手段はないか、あるいは、宿題や自学自習で生徒自身ができる教材はないかと考えていた時期でしたので、非常に興味を持ちました。
そこから『論理エンジン』はどんなものかを調べはじめて、国語科の方にこういう選択肢もあると提案しました。他に代案がない中で、これはもしかしたら、画期的なものになるかもしれないと感じて、大阪高校の中で同僚を通じて話をしはじめたのです。
英語や数学であれば、中学校や小学校に戻ることが基礎といえますが、国語は小学校や中学校に戻るというイメージを生徒も教師も持ちにくいものです。『論理エンジン』では、レベルという形で戻れる。基礎がどういう形か、ある程度、数値的なもので見えるという部分に、私自身は驚きもしたし、画期的だという印象を持ちました。

――日本語の基礎力を高めていくのはなかなか数値化しにくく、結果が見えにくい部分があると思いますが、北村先生の実感として、具体的に生徒が変わってきたと思うところはありますか?

北村 本を読まない、本が嫌いだと言っていた子どもたちに、最初、文章要約のプリントを配った時は「わからない」と言われました。そこで、「10秒以内に答えられないと、立たなければならない」という10秒ルールを作ったのです。このルールでは「わからない」と言った場合も立たなければなりません。彼らに、とりあえず何でもいいからしゃべり出す、という負荷をかけてみたのです。今でもこの文章プリントをやる時は、「また、これや」とだいぶ嫌がっています。でも、彼らに緊張感を持たせるという意味で、そういった感想もむしろ良いことだと考えています。
最近ある生徒が、「また国語の時間や。あれをやらなあかん」と言ったときに、後ろの子が「私、最近、これをやり始めて、要点がわかるようになってきた」「『論理エンジン』で言っていることも活かせている気がする。論理的に読むというのもわかる気がする」と言ったのです。まだ少数ですが、このように文章要約プリントが力になる子も出てきました。
今までなら「本を読まない、文章を読みたくない」という子が、そういう形で言ってくれたのです。『論理エンジン』できちんと読み方がわかって、それが反映されて、自分が正解しているという実感が沸くから、余計にそう思うのだろうと感じます。

次回(2)に続きます・・・

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