勉強の発達段階
長谷 勉強というのは、成長・発達段階があって、最初はやっぱり物を覚えることから始まります。覚える、再構成する、表現する、創造するという形で賢くなっていくのですが、まずは覚えなければ話にならないんですね。
インターネットでも、ワールドワイドウェブ(WWW)という考え方は、そもそもアメリカの軍事基地の考え方からスタートしています。つまり、「ここの本部が壊れても別の本部がちゃんと機能するように」というのが、WWWというもので、インターネットの基礎概念なんですね。そして、1個、2個の島よりも、100個の島があった方が、いろいろな意味で危機管理・予防線となる。
同じように、知識もWWWの一つの島と似ていると思うのです。ある瞬間から、グワーッとつながっていきますから。
―― ほう。
長谷 そして、小さい頃は、発達段階的にもやっぱり覚えやすいので、知識をきちんと入れていくほうが効率的ですよね。
今、朝6時55分から教育テレビで、Eテレ0655という変な番組が流れていて、子供がすごく見ているんです。くだらない歌が流れています。「何とかの首都は何とかで」とかいう、全く無意味・無乾燥なつながりで首都を暗記させるという。
―― ええ。
長谷 だけど、小学生のうちの子2人は、リズムに合わせて内容を覚えてしまう。僕なんかがそれを見ても、楽しいなとは思うけど、やっぱり覚えられないですね、もう。
―― はい。
長谷 このように、発達のある段階においては、覚えることが得意な時期があるんです。しかし、論理的思考能力というのは、本当は30歳過ぎてから爆発していく。でも、その爆発する前に島が2個しかない人は、爆発しようがない。
―― なるほど。
長谷 こういう考え方に基づけば、やはり知識という島の構築は、小さい頃に徹底的にやっておくべきです。そして、ある知識とこちらの知識がつながるというのが、まさに論理の力なんです。ですからその知識を、小さい時にどれだけ入れられるか。それはすごく大事だと思います。