コラム

最強のプロ国語教師は、平成の吉田松陰だった~志桜塾代表 長谷 剛先生~第2部 オープンスキル、クローズドスキル(2)
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Writer S

前回のコラムに引き続きになります。

勉強の発達段階

長谷 勉強というのは、成長・発達段階があって、最初はやっぱり物を覚えることから始まります。覚える、再構成する、表現する、創造するという形で賢くなっていくのですが、まずは覚えなければ話にならないんですね。
インターネットでも、ワールドワイドウェブ(WWW)という考え方は、そもそもアメリカの軍事基地の考え方からスタートしています。つまり、「ここの本部が壊れても別の本部がちゃんと機能するように」というのが、WWWというもので、インターネットの基礎概念なんですね。そして、1個、2個の島よりも、100個の島があった方が、いろいろな意味で危機管理・予防線となる。
同じように、知識もWWWの一つの島と似ていると思うのです。ある瞬間から、グワーッとつながっていきますから。

―― ほう。

長谷 そして、小さい頃は、発達段階的にもやっぱり覚えやすいので、知識をきちんと入れていくほうが効率的ですよね。
今、朝6時55分から教育テレビで、Eテレ0655という変な番組が流れていて、子供がすごく見ているんです。くだらない歌が流れています。「何とかの首都は何とかで」とかいう、全く無意味・無乾燥なつながりで首都を暗記させるという。

―― ええ。

長谷 だけど、小学生のうちの子2人は、リズムに合わせて内容を覚えてしまう。僕なんかがそれを見ても、楽しいなとは思うけど、やっぱり覚えられないですね、もう。

―― はい。

長谷 このように、発達のある段階においては、覚えることが得意な時期があるんです。しかし、論理的思考能力というのは、本当は30歳過ぎてから爆発していく。でも、その爆発する前に島が2個しかない人は、爆発しようがない。

―― なるほど。

長谷 こういう考え方に基づけば、やはり知識という島の構築は、小さい頃に徹底的にやっておくべきです。そして、ある知識とこちらの知識がつながるというのが、まさに論理の力なんです。ですからその知識を、小さい時にどれだけ入れられるか。それはすごく大事だと思います。

オープンスキル・クローズドスキル

長谷 先ほど、“オープンスキル”と“クローズドスキル”があると申し上げたのも、実は、 テニスの指導教本にそのまま書いてあるんですね。
国語というのは、どうしてもオープンスキルなんですよ。
テニスや野球がうまくなるために、練習する。でも同じ練習をするのにも、例えば 筋肉の発達を考えてみる。女の子は14~5歳ぐらいである程度骨格もでき上がる。だから、もうその年齢で筋トレしても良いけれど、男の子はまだ骨の成長が止まっていないので、そこでウェイトをかけてしまうと成長自体が止まる。そうすると、いろんな意味でバランスが悪くなる。
ということを知らない指導者は、マズいですよね。うさぎ跳びだとか、昔はね、極端な話で、「水飲むな」みたいな。今はもう、「水飲め」ですからね。180度違う。

―― そうですね。

長谷 やっぱり科学的にいろいろなことが分かり出したから、スポーツの指導も変わっていったのです。
そこで、筋肉の動きが分かってきたことと同じように、脳の働きも分かってきた以上、じゃあ、オープンスキルであるスポーツを教えるように、国語という、そもそもオープンスキルの教科をやってしまえば分かりやすいのではないかと思って、やってみたら意外に好評だった、という。
これで正しいんだ、これだと生徒に伝わるんだと、確信しましたね。

―― それは大体いつ頃の話ですか。

長谷 つい最近、2~3年前です。
昔は、ラケットの面のことばかり考えていたんですけども、あるテニスコーチがいらっしゃって、機能分析主義という身体の機能的考え方から、「面に当たる時間は1,000分の4秒だ。1,000分の4秒、ということは、1試合では2秒ぐらいしか面に当たっていないのに、その他の59分58秒何してるの? 面なんてどうでもいいじゃない」という指摘を受けたとき、「確かにそうだな」って目から鱗が落ちたような気がしました。

(次回に続きます・・・)

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