コラム

小論文のすゝめ~小論文で最強の武器を身につける~
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出口 汪
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高校生だけでなく、大学生・社会人にも有効な最強の武器は、小論文で身につきます!

なぜ小論文を学ぶのか

今日は小論文について話をしようと思います。
高校生あるいは受験生だけでなく、大学生・社会人もぜひ小論文についてちょっと頭においてもらいたいなと思います。というのも今、大学生の半分近くは学科試験を受けずに大学生になっています。
推薦入試は、面接・集団討論・小論文。論理的に考え、論理的に話し、論理的に書く力があれば推薦で大抵の大学は通ります。また、推薦入試の方が早い時期に合否が分かるので、次の対策を立てやすいのです。

小論文を学ぶとよい理由

・受験生の過半数が小論文で大学へ進学
・大学は論文を書いて卒業するので、論文の読み書きができれば大学で楽ができる
・論理力を身につけると、社会人になっても活躍できる可能性が高い

大学では論文を手取り足取りは教えてくれません。高校の間で修得したものを前提に、論文を書かなければなりません。だから大学でうまくいかないということがあるのです。
さらに今、SNSなど情報発信の時代です。不特定多数に向けて文章を書く時代です。ということは、論理的に書かなきゃだめですよね。そのときの感情で書いてしまうと、それが拡散され、思わぬところで自分に返ってくることがあります。
でも、誰が読んでも納得できるように、論理的に書いていれば、何の問題もない。論理的に書いた文章を読んだときに、この人って仕事ができる人だな、あるいは知的な人だな、論理的な人だなと多くの人が認めてくれることは、大学卒業よりももしかするともっと有効かもしれません。

小論文の練習をやっていきましょう!

小論文をどのように完成させていくのか、5つの段階に分けてすすめていきます。

1.要約力を身に着ける

小論文の出題のパターンは以下のようなものが圧倒的に多いです。
・問1「課題文を要約しなさい」
・問2「それについてあなたの考えを書きなさい」

そのため、一定の論文の要約力というのが必要になってきます。では、要約とはどういうことか。それは、長い文章の要点をしっかりつかまえて、要点と要点との論理的な関係を把握してまとめていくという作業です。頭の中で論理的に整理していく本当に大事な練習になってきます。
膨大な文章が出る場合(複数の資料が出る)は難しいと思わず、こう考えていきます。
小論文の課題文はデータにすぎない。例えばAという主張がある。あとはそれの具体例や理由であるぐらい理解できればよいのです。あくまでAというデータの根拠となるグラフだ、資料だ、と細かいところまで理解する必要は全くないのです。 本当に最低限の要点さえ捕まえれば大丈夫です。そうやって要約をします。

2.論文の文体を知る

次はそれに対して自分の意見を書きます。そのとき必要なのは、論文の文体です。
話し言葉と書き言葉の区別もつかないような文章を書く人がいます。あるいは書き言葉であっても、論文の文体とそうでない文体は違います。
まずは論文というよりも、評論を要約することによって、論文の用語文体を身につけていきます。こういったことも大事です。

3.論文の採点基準を理解する

・論証
自分の意見がAであろうがBであろうが、基本的には思想の自由が憲法によって保障されているから、そこに優劣はないです。
大事なことは、自分がAだと思っていても不特定多数の誰かはAと思っているとは限らないということ。だから次にAを論証します。
例えば、作文と論文の違いですが、作文というのは私がこう思うというのを他者にしっかりと伝えたらOKですよね。
論文はこう思う、ここがゴールじゃなくスタートだが、人はそう思ってない。だから論証しなきゃだめだ。その論証過程に点数がつくことが多いです。

・段落
段落分けも大事です。つまり、ぱっと答案を見て段落分けがないと、読む前から「ああ、論理的に構成ができていないな」というふうに、最初から非常に厳しい目で見られてしまいます。論理展開を考えたら当然、段落が分かれるのです。だからぱっと見た瞬間、字数不足である、あるいは論文の文体で統一されてない、段落分けができてないものは不合格だなと採点者は思ってしまいます。

4.書く内容をストックしておく

もう一つ必要なのは・・これがもしかして一番大事かもしれないです。書く内容がないのに書くのは、無理なのです!書く内容をストックしておかなければならない。
では、どうしたらよいか・・・
「合格」するには、特に奇をてらったことを書く必要はなく、普通のことでそれをきちんと論証できていれば合格です。
現代文の評論文を理解したら、それをストックとして溜めておくのです。僕は「ストックノートを作りなさい」と勧めています。そうやって絶えず、自分のストックを確認して、いつでも取り出せるようにしておきましょう。

ここまでが、全体の7割ぐらいでしょうか。
新たに小論文対策をやらなければならないあ・・と思った方もいるかもしれませんが、実はここまでは全部現代文の勉強でやればよいのです。論理的に読む力、読解力、そしてそれを整理してまとめる要約力、論文の用語、論文の文体の習得、 さらにストックで次に論証する論理の力、全部現代文で獲得すればよいのです。

5.正しい時間配分を理解する

あとは、実際書いてみること。そのときに時間配分が重要です。思いつくまま書いてしまってあと10分だ、間違っていると思って全部書き直したら時間がなくなりアウト・・・。あるいは字数が足りなかった、またオーバーしてしまった。こうなったら大失敗です。
だから最初に課題文がこうである、それに対して自分の主張はこうである、論証で具体例が2つある、そして理由がある、まとめ、それぞれ何字ぐらいかという大雑把なメモを取っていきます。そして下書きを書きます。そして、下書きを清書していきます。
そたのめ、例えば400字清書するのは何分かかるのか、あらかじめ自分の中で把握しておく必要があります。
また、下書きを書いた中で推敲しなければいけません。推敲して日本語の基礎に反する、あるいは論理が飛躍しているとか、そういうところを修正して清書していくという手順です。

こういったことをやることによって、本当に大学での論文の読み書きだけでなくて、社会で必要ないろいろな武器を手に入れることができます。
僕の本に「論理で書ける小論文」というのがあります。ぜひみなさん小論文の勉強を始めてみてください。

引用:出口汪の学びチャンネル

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