主張は“常識”との対話から始まる
そもそも「主張」とは、多くの人が暗黙のうちに共有している前提(=常識)に対し、新たな視点や反論を提示することです。
そのため、まずは生徒に「一般的にどう考えられているか(常識)」を明確に意識させるところから始まります。
例として、生徒にとって身近なテーマ(例:給食の時間の短さ、宿題の意義、スマホの使い方など)を取り上げ、その“よくある見方”を洗い出す練習をするとよいでしょう。
「自分の意見を書けない生徒」に対して、現場の教師や指導者は日々、苦労されていることと思います。
その多くは、単に語彙力や発想力の不足というよりも、“主張の型”を知らないことに起因しています。
本コラムでは、教育現場でもすぐに活用できる「主張の基本構造」とその指導法についてご紹介します。
そもそも「主張」とは、多くの人が暗黙のうちに共有している前提(=常識)に対し、新たな視点や反論を提示することです。
そのため、まずは生徒に「一般的にどう考えられているか(常識)」を明確に意識させるところから始まります。
例として、生徒にとって身近なテーマ(例:給食の時間の短さ、宿題の意義、スマホの使い方など)を取り上げ、その“よくある見方”を洗い出す練習をするとよいでしょう。
主張の型として、もっとも基本的で有効なのが
「たしかに〜。しかし〜。」という接続語を用いた構文です。
「たしかに」で相手や社会の一般的な意見を認めた上で、
「しかし」で自分の異なる視点・主張を提示する
という構成は、読者・聞き手にとっても納得感があり、説得力のある表現になります。
たとえば、
たしかに、現代の子どもたちはスマートフォンを手放せない傾向がある。しかし、適切に使いこなせば、情報収集や学習効率の向上といった利点も享受できる。
このように、「常識」と「反論」の間に明確な接続語を入れることで、思考の流れに筋が通り、生徒の表現も飛躍的に明瞭になります。
出口式論理教育では、こうした主張の組み立てを言語化された“型”として反復練習することで、自然なアウトプットを促します。
「たしかに〜しかし〜」型をベースに、以下のようなステップで授業設計をするのがおすすめです。
テーマに対する“世間の見方”を考える
その見方に対して、自分の立場・反論を立てる
「たしかに」「しかし」を使って一文で主張文を書く
内容の裏づけ(例・理由)を添えて、主張を具体化する
繰り返しの中で生徒は、「意見を書くとはこういう構造なのか」と体得していきます。
主張の型を身につけることは、単なる作文指導にとどまりません。
相手の立場を理解しつつ、自分の考えを論理的に述べる訓練は、ディスカッション・プレゼンテーション・自己表現といった、すべての場面において活きてきます。
“型”から入ることを軽視される風潮もありますが、初学者にとってはむしろ思考を言語化するための足場となります。
ぜひ教育現場でも、「主張の型」の指導を体系的に取り入れてみてください。
論理JPでは、論理教育の現場で役立つ視点や教材実践のヒントを発信しています。
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