コラム

最強のプロ国語教師は、平成の吉田松陰だった~志桜塾代表 長谷 剛先生~(2)
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Writer S

今回は、平成の吉田松陰・志桜塾代表 長谷 剛先生より前回の問題解説を実際にしていただいた模様をお届けします。

前回の本文解説

では、本文を基に少し見ていきます。

第1段落には、グループホームについて、「高齢者用のグループホームのことを」とあります。「グループホーム」を、取りあえず四角で括弧して、第2段落に移る。
そして、この第1段落と第2段落の間に< >(三角カッコ)を書いてください。 「住むひとのいなくなった木造の民家をほとんど改修もせずに使うデイ・サーヴィスの施設だった」ということは、1段落と2段落の間に入る、< >に入る接続詞は……。

いま渡した「接続詞のトレーニング」というプリントにある、14個の接続詞のうちのどれかが入ります。書き入れてごらん。
このとき気をつけるのは、「第1段落と第2段落の関係は何か」というのを考えること。この2つの関係は?

第1段落…どんなグループホームなのだろうか。
第2段落…こんな感じです。
というように、第2段落は具体例を挙げて説明してくれているよね。
「いろんなグループホームがある。その中で一つ、私が経験したのは、たとえば……」という形で例を挙げて説明しているよな。こういう説明を例示という。その内容が第2段落に書いてある。
ざっくり言うと、グループホームっていろいろあるじゃない?鉄筋もあるよね。
ここは木造の民家を使う施設なんでしょう。
第3段落でも、これがずっと続いている。第2段落と同じ形で、具体例を挙げながら説明しているね。

生徒C 先生、聞いていいですか。

長谷 いいですよ。

生徒C 「しばらく前に訪れた高齢者用のグループホーム」っていう文からすると、「しばらく前に訪れた」と修飾しているので、これはグループホームを総称しているわけではなく、この2段落と「しばらく前に訪れた高齢者用のグループホーム」って、同じものではないのですか。

長谷 そう。この例示も、結局、イコールの関係でしょう?
イコールの関係で具体的に説明するときのカタチについて、D君、覚えてた?

生徒D すみません。

長谷 自分が体験してきたことを「面白かったよね」とだけ言っても、それじゃ説明にならないよね。「例えばね、こういうことがあったから、面白かったんだよ」と言わないと。つまり、「例えば」って切り出しならが、体験を語るじゃない。
その「例えば」というのは、イコールの関係でしょう。
だから、第2段落、第3段落はグループホームの説明をずっとしていて、イコールの関係。いいかな?
D君、ほかにイコールの関係の説明というのは、どういうものがあったかな?

生徒D たしか、一番高度なのが比喩ですよね。

長谷 そう。覚えているじゃない。
体験・引用・比喩という形で覚えているね。
この文章は、イコールの関係で具体例を挙げて説明しているけれど、要は「このグループホームが面白かった」ということを伝えたいだけであって、形を変えて繰り返しているんだ。具体例を挙げながら説明しているので、「例えば」が入る。
ここの部分に「つまり」が入っても、原理的にはあまり変わらない。大事なのは、 ここはイコールの関係で今つながっている、ということだ。
もっと抽象化してしまうと、Aがあって、第2段落はAのダッシュが来る。第3段落はAのダッシュ・ダッシュなんだ。分かる?
Cさんが親御さんに「小遣いを5,000円にしてほしい」と主張したとするよね。その説明として、「例えばEさんは8,000円で、D君なんかは1万円なんだよ」って言ったとき、Eさんが8,000円で、D君が1万円であることが言いたいのか。「5,000円にしてほしい」が言いたいわけでしょう。
こういう考え方が大事なんだ。具体例を読んでしまうと、思わず「あっ」って言って、D君とEさんの例そのものを注目してしまいがちだけど、何が一番言いたいのかっていったら、Cさんの小遣いアップだよね。
これを忘れちゃダメだ。今この筆者はグループホームのことが言いたくて「例えばこんな経験したよね」っていう体験を言っているだけなの。だから3段落はダッシュ・ダッシュの関係。いい?
で、関係的には、ずっとイコールの関係が続いている。
じゃあ、次、4段落の前に< >を入れてみよう。ここに接続詞は何が入る?

生徒E 「すなわち」。

長谷 そうだね。結局、「すなわち」っていうのも、イコールの関係でしょう。
これを分析してみると「すなわち」が入っている、ということは、結局、第2、第3段落で具体例があって、次の第4段落では、イコールこういうことが言いたいんだよ。という構造になっているということだ。

<✓ポイント>

段と段との関係を捉える。

(第3回に続く・・・)

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