保護者の理解を得る取組み
―― 先生は対教員だけではなく、保護者に対してもいろいろと講座を開いておられると伺っているのですが。
加藤 そうですね。本校では保護者講座というのがあって、昨年度はその中で「大人に効く論理エンジン」という保護者向け講座を2回やらせていただいて、非常に多くの保護者が来て下さいました。
またそれとは別に、夏の7、8月には本校の保護者ではなくて、本校を受験する中3生や、その中3生の保護者の方々に、「S類に入ってくるとこういう授業が受けられます。」というプレゼンテーションを行いました。そこで中学生に対して論理エンジンの入口のところをちょっと体験してもらうんですね。
すると国語が苦手な中学生はすごく多いので、「国語の力が伸びる」というお題目が出ていると、やはり目が行くんです。その中で論理エンジンをこういう風にやっていくと説明しています。ごく当たり前のことしか書いていなくても、その当たり前のことすらきちんとした指導を受けさせてもらえなかった生徒が多いわけですから、それが新鮮に映るんですね。当たり前のことが論理的に書かれていると、「なるほどな」と納得もするわけですね。
すると、「あっ、この学校面白いかもしれない」と説明会に来てくれる。そこで実際に私が授業をやってみせる。というようなことを募集のステップとしてやっています。
募集が秋口から冬に一段落しますので、3学期には、先ほどお話ししたように、校内の高1から高3生の保護者に対して、実際にお子さんたちがどういう授業を受けているのかをイメージしてもらうために、「大人に効く論理エンジン講座」を行います。
そういうことをやると、例えば保護者からの感想で、最近子どもが親に対して、「お母さん、結局何が言いたいんだか、もうちょっと的を絞ってよ」などと言うようになってきて、「加藤先生のこういうお話を聞いているので、息子も随分変わってきたんだと思います」という感想をいただくこともあります。嬉しいですね。この時点で実は保護者の意識がすでに変わっている。それが嬉しいんです。
あとは例えば、企画書・レポートの書き方のようなものですね。どなたも会社の中でごく当たり前にやられていることですが、それをあえてちょっと変えてみせてあげるだけで、「なるほど、そういうこともあるか」という形で納得していただけたり。
そういう意味で保護者の方にも何らかの還元ができるといいと思っているんです。