HOME >> 探訪・論理の匠 >> 論理の匠 vol.9



探訪・論理の匠

論理の匠 vol.9

~能開センター(小中学生)・能開センター高校部 野口浩志先生~

一貫した「論理」による中学・大学受験指導

中学受験も大学受験も国語で必要な力は同じ

~灘中学校の入試問題~

野口 最後に灘中学校の入試問題を紹介します。ここで取り上げられた題材は、詩です。一見、「論理」とは無縁だと思われる詩であっても、入試問題として出題される以上、論理的な分析を行う必要があります。

野口 問1の設問を分析してみると、読み方の誘導がかけられていることがわかります。

野口 ここから「夜行列車=時代の流れ」「魚=詩人(作者)」という関係が成立することになります。さらに、それぞれに関連する情報を詩から抽出すると以下のようになります。

野口 列挙した情報を言い換えると「夜行列車=光り輝くもの、突き進んでいくもの」「魚=暗いところで動かないもの、現状を変えようとしないもの」となります。これらすべてを整理するとこのようになります。

野口 つまり、この問題も先の東大やセンター試験の問題同様、対立関係の理解を試しているのです。では、詩の中の「論理」が整理できたので、設問を見てみましょう。まずは問1です。

野口 詩人は、いたずらに時代の流れに乗るのではなく、自分の生活を守ろうとしています。したがって、「時代の流れに付和雷同(一定の主義・主張がなく、安易に他の説に賛成すること)せずに生きていこう」としているイの選択肢が正解です。魚は反抗的態度をとるものの象徴ではないので、エ「時代の流れに逆行しても」は誤りです。

野口 次に問2について検討します。この詩は3つの連で構成されており、全ての連で魚が眠っている様子が描かれています。つまり、詩を通して魚=詩人自身の事を表現しているのです。そこで選択肢を見ると、エ「寝姿」とはもちろん魚のことで、つまり詩人自身を指しています。したがって、これは詩の題名としてふさわしいと言えます。他の選択肢の語句は詩の中で使われているものの、主題との関連性がありません。

―― 詳細に解説していただき、ありがとうございます。文章読解で必要なことは、どんなレベルであっても同じということですね。

野口 まさにその通りです。国語の読解問題は受験生の論理的思考力を試すものであるため、読書感覚で課題文を読んではいけないのです。したがって、受験生のセンスやフィーリングが入り込む余地はありません。課題文の客観分析こそが重要で、この点において中学受験と大学受験とでは何ら変わりはありません。

―― 大学受験生ならともかく、小学生がこのような分析ができるようになるのでしょうか。

野口 国語の読解力を強化するには、まず論理的に思考するためのスキル(技術)を習得し、それを自在に活用できるようになるまで訓練を積む必要があります。そういう訓練を積みさえすれば、小学生であっても論理的な読み方が可能になります。

このページのTOPへ