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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.5

~志桜塾代表 長谷 剛先生~

最強のプロ国語教師は、平成の吉田松陰だった

- 第1部 それは、国語という名の魔術だった-

 長谷剛(はせ つよし)先生。38歳。
スポーツ科学的アプローチである機能分析を駆使し、国語教育に革命を起こした男――教育出版大手の著者としても活躍されている若き天才です。
先生は、その国語の指導技術を一目見ようと、他県から見学者が来るほどの有名教師である一方で、指導者としての高いスキルを持つテニスコーチとして、島根の高校テニス界を引っ張る存在でもありました。
しかし、今春、東大生を毎年輩出する県内一の名門校を惜しげもなく辞め、国語専門の私塾を開き、プロ国語教師としての活動を開始されたのです。
その独立の理由と、スポーツ脳科学を融合させた新しい国語指導法の真髄に迫るため、取材陣は一路、水と文化の都、松江に飛びました。
大通りに面した文教地区、開塾したばかりの「志桜塾」の教室で、気さくにインタビューと授業見学に応じていただいたのですが、そこで記者は、まさに魔術としか表現できない衝撃の授業を目撃してしまったのです。

1.脳科学との融合

・今年度のセンター問題

長谷 では、やっていきましょう。まず復習です。
記憶には、どんな種類がありました?2種類言ってね。

生徒A 一つは短期記憶(※1)。

長谷 そうそう。

生徒B もう一つは長期記憶(※2)。

長谷 C君、覚えちょるな。短期記憶と長期記憶っていうのがあるが、国語はどちらで解くんだっけ?

生徒C 右。

長谷 視力検査か。しゃべりなさい(笑)。国語は?

生徒C 短期記憶。

長谷 英語は?

生徒D 長期記憶。

長谷 いいですね。ちょっとだけ説明しますが、長期記憶というのは、要するに“覚えなければダメだ”ということです。
一方、現代文の定期テストがあっても、本文を覚えたことはないでしょう?覚える必要は無い。なぜなら、国語を解くためには別の記憶――短期記憶を使わなくてはならないからです。
基本的に人間の記憶は、短期記憶の中でも、最初は“感覚記憶”と呼ばれるものから使うと言われています。
例えば、アニメは動いているように見えるよね。そのように見えるのは、何枚ものセル画、静止画が連続しているから動いてるように見えるんだけど、その理屈は分かるかい?
そう、前の画像を覚えてないと動いているようには見えないよね。
大体、一般的なアニメは1秒間に24コマ。――だったよな、E?

生徒E 知りません。

長谷 お前、アニメ好きだったんじゃないの?(教室笑)

生徒E いや……。

長谷 ジブリ系になると、これがもうちょっと上がる。だから滑らかだって言われる。
これが感覚記憶。
そして短期記憶の中で、もっと大事なのが、作業記憶だ。覚えているかな?

生徒A いや……。

長谷 作業記憶。一般的に国語ができると呼ばれる人は、この作業記憶の力が非常に強い。作業記憶の時間が短い人は、国語ができないというより、いわゆる「集中力が無いね」って呼ばれる人になる。

注※1●短期記憶
人間の記憶のうち、短期的に保持される記憶のこと。
その持続時間は数十秒から数カ月程度とされる。
短期記憶に情報処理能力を含める場合、作業記憶とも呼ばれる。

注※2●長期記憶
比較的長期にわたって持続する記憶。
長期記憶の容量は現在のところほぼ無限とされており、
記憶が保持される期間も数時間から数十年にわたる。

まとめ1

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