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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.3

~開智学園開智高等学校・加藤克巳先生~

論理エンジン研修会の超人気先生、ついに登場 (8)

- 前編「教材観と実際の授業」その2 -

ソーシャルスキルと国語力

加藤 われわれS類が取り組んでいる、論理エンジンとは別のもう一つの柱として「ソーシャルスキルの育成」というのがあります。

最近の子どもたちはソーシャルスキルに欠けるところがありますね。例えば大学生になっても便所の個室で弁当を食べる。「便食」というらしいのですけれど、こういう学生が非常に増えてきている。これはもうニートへの入口です。

お互いにコミュニケーションが取れないし、善悪の判断基準もない。その原因は多様だと思うのですが、一つには、かつて日本が持っていた社会の教育力、家庭の教育力というものが急激に失われてきているということが挙げられると思います。そしてもちろんこんな現状でよいわけがない。どこかでそれを教えなくてはいけないのです。社会や家庭の教育力が低下しているのであれば、それを学校が担っていくしかない。学校が担うべき教育力というのは多彩ですが、その範囲を広げざるを得ない状況になっている。さらに、そういう意味では高校が最後の砦だと思うのです。だからソーシャルスキルの育成を教育の1つの柱と考えたのです。

論理エンジンに戻りますが、ソーシャルスキル育成のベースとして、われわれ国語科は単に受験学力だけではなく、人間関係を的確に構築するための国語力というのをやっぱり身につけさせなくちゃいけない。言語コミュニケーション能力です。そういう意味ではこの論理エンジンという教材は本当にいい教材です。

一年目には実施方法に問題があっただけでなく実施主体の私自身が論理エンジンを良く知らなかったということで、失敗しました。自分で見ながらやっていくという形だったので、先が見えなかったのですね。

だからいろいろな地方の研究会等にお招きいただいた時は、私は、「先生方、論理エンジンを全部自分で解いていますか。生徒に教える前に少なくともOS1からOS5まで一通り全部自分で解いてないとダメですよ」と必ず言っています。

1年目の反省をする中で、導入を再考する声もありましたが、先ほどお話ししたように、論理エンジンには単なる国語力を鍛える以上の学習効果が期待できます。さらに言えばS類の教育には不可欠な教材でもあったわけです。であれば論理エンジンがあることを前提として、それを存分に生かす方法を開発しよう、という流れにあり、指導方法の大きな転換をすることができたのです。

(後半に続く)

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