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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.3

~開智学園開智高等学校・加藤克巳先生~

論理エンジン研修会の超人気先生、ついに登場 (7)

- 前編「教材観と実際の授業」その2 -

学び合いとディベートが特色の学校

―― 一方的に授業を聞くだけであれば、子どもたちの間にフラストレーションがたまっていくと思うんです。しかし、手を挙げるのも勇気が要ります。このようなグループワークなら、友達の中で「えっ、なんで?」とか、「私はこんな風に思うんだけど」と、どんどん発言が出てくるのでしょうね。

加藤 本校では「学び合い」を非常に重視しているので、いろいろな教科で行っています。例えば数学では、教員に教えを請うてきても最初はまず教えません。「自分でまずはよく考えてみなさい」と。で、分からなかったら「友達に聞いてみなさい。相談してやってごらん」と。「それでもどうしても分からなかったら、どこからが解決できなかったか話に来なさい」という感じですね。数学でも英語でも「学び合い」の時間は非常に多いですね。

―― 発言の場がない一方通行の授業は、苦手科目ができるとどんどん分からなくなっていく悪循環に陥ってしまいます。ところが今先生が取られているような、時には発言する場があり、分からなければ友達と一緒に「学び合い」ができる環境は、極端なことを言えば、全員で落ちこぼれを防いでいる、みたいなものですね。

加藤 そうですね。

―― 開智高校ではディベートに関する取組みにも力を入れていますよね。

加藤 ディベートもよくやりますね。高校1年生では2回から3回。入学直後の合宿からディベートをやりますから。ディベートは子どもたちも積極的に取り組みますし、非常に面白がってやりますね。

―― 先生はこの教材を取り入れるには、教師がある種の潔さを求められるとおっしゃいました。1年目は、他校から見れば失敗じゃないのかもしれないけれど、先生いわく失敗だったと……。2年目に大転換してその潔さを貫けた理由を教えてください。

加藤 これをやらないと、我々が育てたい子どもたちを育てられないからです。どうしてもわれわれのように進学校の仲間入りをし始めているレベルだと、ややもすると学校の授業が予備校化していきます。受験偏差値を上げる指導に偏ってしまうんですね。しかし予備校化していく学校には、必ず限界が来ます。なぜならこの指導は教育が担う役割のごくごく一部でしかないからです。

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