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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.3

~開智学園開智高等学校・加藤克巳先生~

論理エンジン研修会の超人気先生、ついに登場 (3)

- 前編「教材観と実際の授業」その1 -

驚くべき文章解析作業

 

加藤:はい。なぜそこが要点でした?

生徒:まず、この話の話題は、私たちの季節感?
1行目と、2行目の「実にめぐまれている」までは、要点じゃないと考えて。

加藤:うん、なぜそこが要点じゃないと言えたの?

生徒:その後の、「北方」から、「微妙である」は、具体例だと考えたので、それを導く文章だと……。

加藤先生のキーワードはズバリ、「なぜそう思った?」です。幾度となく繰り返される、答えにいたる筋道を問う発問。そして、画一化されたマーキングによる図式化の徹底。これは読解というより、文章の解析作業と表現すべきかもしれません。

その“文章解析”の実例として、先ほどのレベル27ステップ4第二段落の要点についての加藤先生の解説を挙げますと……。

加藤:今回はおそらく、マークをつけるとすると、第二段落のてっぺんの「しかし」。
『段落の頭にある逆接が超重要の法則』でいくと、この第二段落がポイントになるということは、もう明らかなわけです。で、○○(生徒)が指摘したように、「しかし」の直後の一文というのは、これは要注意でマークするわけだ。

その後、第二段2行目の「小説などを~」。ここから丸括弧が付いていって、「丸括弧の終わりはどこまでかな」という感覚で読み進めていくと、後ろから3行目、真中に「このこと」という指示語があるので、その指示語の前までで基本的にはまず一段落だな、ここで一回丸括弧は多分閉じておくわけだ。
で、その内容を、「このこと」という指示語が引きずる。ということは、ここは基本的にイコールの関係で結ばれるはずだ。

そして、後ろから2行目の上の方に「しかし」があるので、これも多分逆接マークがついたでしょう。そうすると、「しかし」の前後で「AしかしB」の形だから、この「しかし」の後が大事なのかな?という風に考えてしまうのだけれども、さっき○○(生徒)が説明してくれたように、ここのところは実はでっかい具体例の中での比較にすぎないわけだから、そこを要点としてとる必要はないんだ。

このように考えれば、「最近になると、私たちの季節感は、昔ほどこまやかではなくなったようである。」が要点であるととれるわけだな。

日本語のルール「論理」に基づき、マーキングと図式化という第一次的処理を画一的に行わせ、文章の目の付け所が浮かび上がるようにする授業。フィーリングではなく、根拠を押さえながら、読み飛ばすことなくしっかり読めるための工夫。感覚でもセンスでもなく、まさに数学の公式のように論理を当てはめていく、まさに加藤流の“文章解析作業”……これで生徒の読解力が上がらないわけがありません。

そして実際、加藤先生は教科書で指導せず、論理エンジン一本で開智高校S類を、一流大合格者を輩出するトップクラスにのし上げ、いまや多くの先生が見学に来るような授業を展開されているのです。

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